【お題スロット】池波正太郎の『鬼平犯科帳』シリーズ、精神のバランスを回復するために
ノーファイトです。
ほんとうに久しぶりですが、お題スロットで書いてみます。選んだのは「好きな作家」です。
若い方にはピンと来ないかもしれませんし、場合によっては馬鹿にされるかもしれませんが、私は池波正太郎の鬼平犯科帳シリーズが大好きです。
時代劇です。そして、時代劇といえば、水戸黄門とか暴れん坊将軍をイメージされる方も多いかもしれません。つまり、一件落着の予定調和の世界をイメージされるかもしれません。
ですが、池波正太郎の鬼平犯科帳は、それとはまったく違います。逆説に満ちた奥深い物語です。
私は、若い頃、けっこう切った張ったの、厳しい部署で働いていました。穏やかな言葉で恫喝めいたことを言うこともありました。駆け引きは日常でした。とにかく厳しくしないと生きていけないような雰囲気だったのです。
そんな日常のなかで、厳しさと優しさのバランスをどのように維持するのか、厳しさの中で穏やかな自分、他人を許す自分をどのように維持するのか、いやそれ以前に自分を嫌いにならないようにするためにどうすればいいのか、あれこれ考えていました。
そんななかで出会ったのが、池波正太郎の鬼平犯科帳です。テレビや映画の番組もすべて見たと思います。今でも、心がささくれだったかなと思うときは、見るようにしています。
厳しさと優しさ、生きていく上でどちらも必要だと思います。問題はそのバランスです。その機微を、主人公の長谷川平蔵から私は学ぶようにしています。
時代劇に食わず嫌いの方も、一度騙されたと思って、DVDをレンタルして見て下さい。人間が一回り大きくなるかもしれません。